tamtamDESIGNの建築と日々。

「タムタム」って発声すると和むんです。

設計事務所であること。  

今回は少々思いの事を書いてみようかと思います。長文です。
お時間あれば読んでやって下さい。

私が設計事務所を志したのは25歳。
有川伸彦という先輩デザイナーの活動姿(展示会)をみて自分のヤル気スイッチが入った事を鮮明に覚えています。「やりたい事を突き進もう」という言葉が自分の性根に刺青のように刻まれました。やりたい事とは自分のデザインを形にし、世に出し、人の役に立たせる事。それを行うには設計事務所が最適だと思い、自分の設計事務所開設を目標と定めました。そんなふうに自分を変えるキッカケをくれた有川さんの事は今でも「心の師匠」と呼んでいます。

その年に2級建築士を取得。職場もインテリアデザイン事務所と建築設計事務所を渡り歩き30歳で1級建築士を取得。そして34歳の昨年5月に退職し独立。事務所登録の諸々準備整え8月に建築士事務所の申請をしてから約1ヶ月。忘れてた頃に「1級建築士事務所登録が完了しましたよ。」という通知が届きました。

すらすらと過程を書いていますが1級建築士事務所の開設はなかなか大変なものであります。特に姉歯事件後の私等の世代。

私の場合、工業高校で建築科3年を出て、更に専門学校で建築学科2年を出ても建築実務で4年の経験が無いと1級建築士の受験資格が得られません。更にご存知の方も多いと思いますが合格率が10%を切ることも多い超難関の1級建築士の試験。私が合格したH20年の合格率は8.1%でした。

3年間の「娯楽一切禁止」という超ストイックな勤勉生活を要してやっと取得です。(後に分ったのは専門学校卒に限ると合格率はなんと0.55%という・・・知らなくて良かった・・・)そして事務所開設に必要な「管理建築士」は建築士資格を取得してまた更に3年の実務経験がないと取得できません。もちろんその管理建築士の取得にも講習及び試験があります。私は25歳で2級建築士を取得して5年経過してたので、すぐ管理建築士は取得できましたが。それまでにどれだけ時間とお金を注ぎ込み、落胆を経験したか・・・

いや、ほんと、設計事務所開設に至るまでは相当の強い意志と覚悟が無いと開設はムリです。しかしまぁ、なんだかんだ、やる気スイッチが入ってから約9年で建築設計事務所としてある土俵に乗れたと言えます。


話しは変わりますが、私の祖母の話し。

祖母は私が高1の時に亡くなりました。私が小学生の頃 定年退職するまで青少年センターの事務管理をしており、とても聡明で頭が良く、そして大らかな性格の持ち主でした。祖母が運転するバイクのカブの後ろに乗ってあっちこっち連れて行ってもらった記憶は温かいものです。学校が終わるとおにぎりを作ってくれたり、耳掻きをしてくれて、その気持ち良さで私はこっとり寝たりと、今思えばおばあちゃんっ子だったのかもしれませね。

祖母は定年退職後、ちょっとずつ痴呆の症状が出てきました。不思議なのは本人がそれを自覚できる、意思がはっきりしている時に、症状が出た時の自分が分かる様で自己分離している事をとても嘆いていました。頭の中を侵略されまいと自分の中で痴呆の自分と戦っていました。
痴呆の症状が出だしてたぶん1年くらいでしょうか。祖母は自ら命を絶ちました。その現場を見た15歳だった私には当然、それまでの人生で1番ショックな出来事であり、後にも先にも人の命について深く考えた事はあの時が最初であり最大だと言えます。遺書には私宛に「私のように弱い人間にならず、強く生きて下さい。」と書かれていました。

私は今35歳。20年前の事ですが、当たり前に憶えています。祖母の命日は9月6日。毎年この日は実家に向かい手を合わせます。

一級建築士事務所登録の完了通知が届き、その日付をみて絶句。祖母の命日と同じ9月6日。

祖母はずっと応援してくれています。この日付を見て間違いないと感じました。またこの開設に行き着くまでの自分の過程を振り返っても「設計事務所」という業に誇りがもてます。

タムタムデザインの形態は設計施工では無く「設計(監理)」のみ。リノベーションや店舗工事の規模では設計施工の方が売上げが大きい分、利益が多く、事務所の継続を考えればその方が良いと思います。 現実、小規模の案件を主とするデザイン事務所は設計施工の形態がほとんどです。

私は独立する際に固く決意した事があり「絶対に施工は請けない」と決めました。それは純粋に設計・監理に集中し、担当する施工者と意志主張をぶつけ合い、現場の精度•クオリティを上げてクライアントが求めるモノ以上の空間・機能を創り出すことを目的としているからです。あ、もちろん設計施工を否定している訳でなく、ユーザーの求めるモノや条件によっては設計施工が最適な場合もあります。ただ私はどんなに小規模案件でも「設計(監理)」にこだわり、アイデアと高いクオリティを提供し続ける「建築・空間設計の職人」でありたいと思っています。

で、独立開業、念願の建築設計事務所開設して1年。少しは人の役に立てたかなぁと。誇りを持って設計をしてこれたかなぁと。



この設計事務所登録の証明書を見て実家の方角に向かい、手を合わせて祖母に聞いています。引き続き誇りをもってこの業を行い、祖母に恥じぬよう正しく行動し人の役に立てるように、気を引き締め初心を思い出しています。


というところで。
なんか青臭い話しになってしまいましたね…汗
私にとって今日は本当に特別な日ですから。ご了承くださいまし(^^;

今後も引き続き、タムタムデザイン一級建築士事務所を宜しくお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



北九州 新築 リノベーション
タムタムデザイン一級建築士事務所
http://tamtamdesign.net/






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Posted on 07:00 [edit]

category: 建築

thread: 建築デザイン - janre: 学問・文化・芸術

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2013/09/06 09:05 | edit

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